介護職として一生懸命に仕事をしていても、それが報われないこともあります。
その瞬間、「自分は介護の仕事にむいていないのかな…」「これだけ頑張っても給料が安いし…」「職場内の雰囲気や人間関係にも疲れたし…」などとモチベーションが下がり、いつしか「辞めたい」と思います。
最終的に言えることは、『介護職を辞めたい人は辞めた方がいい』ということです
後悔しないためには、介護職を辞める理由を自分の中で明確にしてから
「辞める・辞めない」を他人にコントロールされるのではなく
その時の気分で辞めることを選択するのではなく、必ず辞める理由を自分の中で明確にしてから後悔のない辞め方をすることが大切です。
では、あなたの「辞めたい」と思う気持ちを一度整理して、今の自分を見つめ直してみましょう。
辞めたいと思う理由とは
「辞めたい」と思った気持ちには2通りあります
「辞めたい」と思った気持ちには2通りあります。
- 「今の職場を辞める」
- 「介護職を辞める」
この2つの「辞める」は全く意味が異なります。どちらが良いかは自分の気持ち次第ですが、どちらにしても後悔のない選択をした方が良いでしょう。
まず「今の職場を辞める」
「今の職場を辞める」ということは、別の施設やサービス事業所などに移って、そこで介護職として働くということです。新たな環境で気持ちも一新して働けますし、介護職としての経験があるため、それほど仕事内容に苦労することなく再スタートがきれることができます。
しかし、過去に介護の仕事で一度はモチベーションが下がった経験があるので、新しい職場でも些細なことがきっかけで、また「辞めたい」と思ってしまう可能性は高いと言えます。
この選択をする人は、次の職場はしっかりと情報収集してみてください。
特に経営者や管理者の介護に対する考え方、また、事業方針なども事前に確認しておくといいでしょう。
新しい職場を探す時には、転職サイトを活用するのがおすすめです!
次に「介護職を辞める」
「介護職を辞める」ということは、全く別の職種に転職するということですが、要するに介護からの卒業となりますね。
この選択をされる方は、介護の仕事にしがみつく理由がなく、潔く介護職を辞め、新たな自分を発見できるチャンスになります。また、ライフスタイルや給料の面でも大きく変わることも考えられます。
そして、実は介護職としての経験は、どのような職種にも役立つものなのです。今まで利用者様やご家族、そして同僚などとのコミュニケーション能力は、自然と身についており、人との距離感なども今後に活かされることでしょう。
ちなみに、新たな職種へ転職して上手くいかなかった場合は、介護職に戻る人も少なくないようです。
どちらの理由で辞めるかは、あなたの考え方で決めることになりますが、その前にできることならば、本当はあまり職場を転々としたくはないですよね。
きっと、新たな職場の面接の際も、履歴書にいくつも職歴が書いてあると、面接する側はあまり良い印象を持たないと思いますしね。
だいたい3箇所以上の職場が書かれていたり、入社と退職の期間が短いと、面接する側も慎重に判断されます。
ということで、今の職場を辞めたいと思っている介護職の方々へ、次の考え方をお勧めします。
『辞めない自分を想像してみる』
実際に辞めるという決断をする前に「辞めない自分」を想像してみましょう。
「辞める理由」と「辞めない理由」
これは考え直すという意味ではなく、「辞める理由」と「辞めない理由」を自分の中で整理することになります。
結果として辞めることを選択しても、「辞めない自分」を想像したことで、後悔のない辞め方ができるということです。
それでは、辞めようと思ってしまう主な理由で考えてみましょう。
- 「人間関係がうまくいかない」
- 「労働条件に不満」
- 「業務内容に合わない給料」
「人間関係がうまくいかない」という理由は、圧倒的に多い辞めたい理由ですよね。
この理由に一度でも陥ってしまうと、なかなか抜け出すことは難しいでしょう。常に上司や同僚の言動が気になってしまい、最終的には職場に適応できず精神的に病んでしまいます。
色々な改善策はありますが、周りの協力というより、自分のメンタルの問題になるので、「辞めない自分」は想像しづらい状況です。
この理由の場合は、無理に自分を適応させようとコントロールするのではなく、自分の適性に合った職業に転職することをお勧めします。
「労働条件に不満」という理由では、シフトの問題や人員不足、時間外増、休憩が取れないなどがあります。
この理由では、「辞めない自分」を想像することが可能です。労働条件に不満なのは、あなた一人ではないはずです。だからこそ管理者などに相談し、今までの状況を変えられる可能性は高いですよね。
「業務内容に合わない給料」という理由では、根本的な解決は難しい問題です。
この理由でも、「辞めない自分」を想像でき、上記と同じように不満を抱いているのは、あなた一人ではないはずです。しかし、業務内容は改善されたとしても、給料の変化は望めないので、辞めない自分を想像しても大きく変わることはないと思われます。
このように、今の自分に起きている問題に対して、辞めないで働き続けた自分を想像してみて下さい。
その結果、辞めないで働き続けることが想像できなければ、潔く辞められるはずです。
もちろん自分一人で抱える必要はありませんので、信頼できる同僚などに相談してみて、一緒に辞めない自分を想像してみることもいいでしょう。
職場から辞めないでほしいと言われた時は強気でいく
せっかく自分の気持ちを整理して辞めようと思っても、管理者から「人員が増えるまでもう少し頑張ってくれないか」などと職場の都合で引き留められることがあります。
それを言われると、確かに介護職が不足している現状を知っているだけに、なかなか辞めにくい状況にもなります。
だからといって、自分の意思を変える必要はありません。
それでは、引き留められた場合の対処方法とは…
- 「これからの自分の方向性をしっかり伝える」
- 「人員が足りないことは職場(組織)が原因ではないかを伝える」
- 「職場の問題点や給料のことをはっきり伝える」
「これからの自分の方向性をしっかり伝える」ということは、すでに辞めたあとの次の仕事や自分のやりたいことが決まっており、自分の気持ちは将来に向かっていることを伝えることです。
ただし、自分の方向性を伝えたあとは、退職日までの期間はしっかり今の仕事に取り組むことも伝えましょう。
このように上司へ伝えると、あなたの将来を決める権限のない上司は、無理に引き留めることが難しくなるので、かなり効果的です。
では「人員が足りないことは職場(組織)が原因ではないかを伝える」ということですが、多くの引き留められる際の理由としては「辞められたら更に人員が不足してしまうので、新たに介護職員が入るまでは、なんとか頑張ってほしい」と言われます。
この上司からの言葉が一番気持ちを迷わすのではないでしょうか。
もともと人員が足りないことは分かっているし、自分が辞めたら残された介護職員(仲間)が大変な思いをしてしまうと考えるからです。
でも、もう一度考えてみてください。介護職員としての人員が足りないのは、あなたのせいですか?
あなたは雇われている身ですから、人員が足りない責任を負う必要はありません。
よって、人員が足りないことも、自分が辞めることも、全ては職場(組織)の問題だということです。
実際、あなたが辞めても介護の現場は止まりませんので安心してください。
このように上司から引き留められたら、是非勇気を出して「人員が足りないのは私には関係ありません」と言ってみてください。
きっと上司はあなたを引き留めることをやめるでしょう。そして、言えたあなた自身も気持ちがスッキリするでしょうね。
それでは「職場の問題点や給料のことをはっきり伝える」ということについてですが、まず職場の問題として考えられるのは、やはり人間関係ですよね。
人間関係の問題は少なからず、どこにでもあると思われますが、これは辞めるのを引き留められる前に、退職理由として、あなたが先に上司へ伝えるのではないでしょうか。
あなたは人間関係の悩みで退職の意向を伝えたにもかかわらず、上司が引き留めてきた場合には強気で気持ちを伝えるといいでしょう。
たとえば「○○さんとは合わないので辞めたいと思いました。私に辞めてほしくないのであれば○○さんを辞めさせてください」と言ってみるとどうなるでしょうか。
上司は、あなたと○○さんを天秤にかけることになりますが、どちらかを選ぶなんてことはできないでしょう。
また、給料に関しては、「今のままの給料では生活ができません。給料を倍にしていただけるのであれば辞めません」と条件を提示してみると良いかもしれません。
もちろん、そんな簡単に給料が倍になるのであれば、誰も辞めませんよね。
現実的ではない話に上司は付き合いきれず、引き留めることはしなくなるでしょう。
これらの例のように、辞めることを引き留められて困った時は、とにかく自分の気持ちを強気で表現することです。
辞めるのを引き留められることが逆に嬉しいと思われる人は要注意
ただ、辞めるのを引き留められることが逆に嬉しいと思われる人は、自分の存在に酔いしれている可能性が高いので、そういう人は「辞める、辞めない」を繰り返すでしょうね。
まとめ
人は、仕事だけではなく、スポーツや趣味などでも一度は「辞めたい」と思う瞬間はあるものです。
でも、何かを辞めるということは、新しい何かを始めるスタートになるわけです。
『辞める=ダメなこと』ではなく、『辞める=ステップアップ』と捉えてください。
ただ、その時の気分で辞めることを選択するのではなく、必ず辞める理由を自分の中で明確にしてから後悔のない辞め方をすることが大切です。
色々と説明をしてきましたが、最終的に言えることは、『辞めたい人は辞めた方がいい』ということです。
「辞める・辞めない」を他人にコントロールされるのではなく、最後まで自分の意志を貫くことを、ここでは伝えてきました。
今、『介護職を辞めたい』と思っている人は、是非参考にしてみてください。
あなたを必要としている職場は、あなたが決めるのです。